「おやこ教室NEWS」2022年3月 No.355

♫ 春は名のみの風の寒さや ♫ (早春賦より)

この季節になるとこのフレーズがよぎります。各地で記録的な大雪のニュースもあり、暖かくなるまではもう少しの辛抱でしょうか。でも上を見上げると木の芽は確実に膨らんできています。

3月、一年の締めくくりの時期となり、個別支援報告や来年度の利用計画案作成やモニタリングのための面談をしています。「まだまだ切り替えが出来なくて」と言っていたお母さん、いろいろお話を聞いていると少し待つと怒らずにおもちゃを片付けることが出来るようになっています。友達の顏をのぞくようになったり、保育者に絵本を持ってきたり、どの子ども達もそれぞれに成長があり、そんな姿を保護者の皆さんと共有しています。

以前はおもちゃしか見えていないようで友達のおもちゃを何も言わず取ってしまったり、止められて怒ったり泣いたりすることの多かった母子クラスの子ども達。先日の自由遊びのこと、友達の遊んでいる汽車遊びに「いれて」と加わったり、一緒にレールをつなげたり、電車がぶつかりそうになっても怒らずに反対方向に走らせたり戻ったりと楽しそうに遊べるようになっていました。一人で部屋の隅でレールをつなげていた子もそこに合流して、部屋中に大きな線路がつながりました。たくさん遊んで満足できると「片付けの時間だよ」と言われてみんなで先を争うように箱にしまうことができました。

見守っているお母さんお父さん達が「今○○君が使ってるからね」「順番待ってて」「○○君もやりたいんだって」などこれまで間に入って行動を止めたり状況を伝えることで少しずつ友達の姿や、何をしているのかな、おもしろそうだなと周囲が見えるようになってきたのですね。どの子ども達も小集団の中でやりとりを重ね、友達と同じことをしてみたい、一緒に遊びたいという気持ちも育ってきています。まだまだ言葉でうまく表現できず、相手の気持ちや意図に気付けず泣いたり怒ったりする姿も見せますが、ゆっくり自分で気持ちを切り替える「間」を大切にしながら子ども達同士のやり取りを見守っていきたいですね。 修了式まで引き続き感染対策をしっかり行い、体調を崩さずに過ごせますように。(A)