「おやこ教室NEWS」2020年5月

風薫る5月、見上げる木々は一斉に芽吹き、若葉の輝く緑がとても美しい季節です。しかし外出自粛の今、桜の美しさも新緑の美しさもゆったり眺めることもできずに、季節は流れていきます。

  新学期が始まりましたが、緊急事態宣言が発令され、親子教室も5月6日まで休業という決断をいたしました。家で過ごすことが子ども達にとってはどれだけ大変なことか、毎日子ども達と接する保護者の皆さんにとってもどんなに大変なことかも考えましたが、感染がどんどん広がる中、命、健康という何にも代えがたいものを守るには、これしかないと何度も何度も話し合い苦渋の決断でした。

  この1か月、都や区とも連絡を取り、在宅支援に切り替えて、職員がご家庭に電話をさせていただき、状況等を聞かせていただいています。お忙しい中何度も応対していただきありがとうございます。ストレスがたまり自傷が増えてきた、体を動かすため公園に出かけても遊具が使えず怒ってしまう、兄弟げんかが絶えない、テレビやゲームの時間が増えてしまった、食べ物ばかり要求する、生活のリズムが崩れ夜寝てくれないなどいろいろなお話を聞かせていただいています。子ども達には状況がわからず、我慢させられることが多くストレスはかなり溜まってきているようです。大人も今は仕方ないと我慢しようと思っても、子どもと長い時間二人で家にいる事はどんなに大変なことかと思います。人との接触の自粛、不要不急の外出の自粛がますます強く叫ばれている中ではありますが、家庭の中だけで子ども達が過ごすことの大変さ、限界の声もたくさん聞かれました。5月につきましては、接触を制限しながら個別で支援をすることにし、11日から30日までは、午前一組、 午後二組、 一回一組限定で支援を行う事に致しました。詳しくはカレンダー及びメールでご案内しています。ご希望の方はご連絡下さい。

現在の制度の中で、教室の休業中の介護給付費の収入は減り、この先職員の雇用を守るための やりくりも不安がいっぱいです。医療や介護、福祉、雇用などの日本の社会福祉、社会保障制度の貧しさや根本的な問題がこのような状況の中でいろいろあふれてきています。国や自治体からの手厚い援助を切望します。

  「おはよう」と嬉しそうに教室に入ってくる子ども達の笑顔、お母さんたちの安心した顔を思い浮かべ親子教室は必要な場なのだと切実に思います。だからこそ今大切なことは、生活を守ること、命を守ること、しっかり手洗いをして、感染をしないように、人に感染させないように一人一人ができることをする、人と会えなくても感染をしない努力をすることでみんながつながっていきましょう。

子ども達が青空の下で元気に遊べること、友達と泣いたり笑ったりして関わりあえること、普通に過ごせる日々が早く訪れることを願っています。                   (A)